Pixel Pedals of Tomakomai

北海道苫小牧市出身の初老の日常

偶然と必然の狭間で

1987年の冬に、主にレポート生成のための言語として産声を上げたperlだが、今やそれは、WWWを支える主力言語の一つとなっている。perlと言う言語は確かに優れてはいるが、レポート生成を主目的としていた言語がここまでのものになると言うのは、少し不思議な気がする。



この流行の起爆剤は、WWWにおけるCGI技術であると言うことは、ほぼ間違いないだろう。ここで重要なことは、WWWがテキスト(html)によって動作しているということだ。同様に、HTTPプロトコルもテキストを利用している。そして、テキスト処理能力がズバ抜けていたperlがたまたまそこにいたことが、これだけのヒットを呼ぶことになった。もし、WWWが、クライアントに座標と表示データをバイナリで直接送る仕様で実装されていれば、perlがここまで表舞台に出て来ることはなかっただろう。



じゃあ、perlが流行したのは、たまたまWWWがテキストベースで実装された"偶然"によるものなのか。いやいや、WWWがテキストベースで実装されたのは必然だろう。WWWでは、インタネットでつながる全世界のコンピュータに共通する仕様が必要であり、その共通点としてあげられるのが、それを閲覧する人間が居ることである。つまり、どんなコンピュータでも、テキストを処理できる能力は最低限備わっていることを期待できる。そのため、インタネットのプロトコルはテキストベースとならざるを得なかったのだ。結局、インタネットはコンピュータ同士を繋いでいるように見えて、人同士を繋いでいたと言うことだ。



世界に人間が居ると言う必然とそこにperlが居たという偶然が、今のperlを育んできたんであろう。