宿題の答です。
P82の定理9の証明で作った対応が、自然同型になるのか?
対応は書籍に出てる通りですので、この対応で本当にいいのか確かめます。
記号
図を書くのがめんどくさいので、色々記号をつける。
- D:D→C 圏C^Dの対象 i.e. 圏DからCの関手 (書籍と同じ記号)
- X:圏Cの対象 (書籍と同じ記号)
- i, j:圏Dの対象 (書籍と同じ記号)
- D_i = D(i), D_j = D(j) (書籍と同じ記号)
- D': D_i, D_j, ... を集めたもの i.e. 圏Dの関手Dによる像 (書籍と同じ記号)
- φ:C^D(ΔX, D)→C(X, lim D) 書籍で作った右向きの対応
- φ':C(X, lim D)→C^D(ΔX, D) 書籍で作った左向きの対応
- ν_i: lim D→D_i limの定義で与えられる、部分圏D'への各対象への射
φ'○φ = idか
α∈C^D(ΔX, D) なる自然変換とする。このとき、φの定義からlimが要請する可換性が成り立つ。つまり、φ(α);ν_i = α_i (P83の図3を参照)。ところが、φ'の定義から、φ'(φ(α))_i = φ(α);ν_i = α_i 。これはαのコンポーネントとφ'(φ(α))のコンポーネントが全て等しいことを意味するので、φ'(φ(α)) = α。
φ○φ' = id か
h∈C(X, lim D) とする。φ'(h)_i = h;ν_i である。ここで、φ'(h) について φ による対応を考えると、 hについて、h;ν_i = φ'(h)_i が全てのiに成り立つので、limが要請している性質を満たす (P83の図3を参照)。よって、limの要請する射の唯一性から、 φ(φ'(h)) = h。
φ'は自然な対応か
α:D_1→D_2、g:X_1←X_2 とした時に、φ'_X,D が 2つの双関手 C(-, lim -)とC^D(Δ-, -)の自然変換になるかを見る*1。
記号*2
以下のようにおく。
- h∈C(X1, lim D1)
- μ_i: lim D1→D1_i limの定義で与えられる、部分圏D1'への各対象への射
- ν_i: lim D2→D2_i limの定義で与えられる、部分圏D2'への各対象への射
証明
φ'とΔの定義は具体化されているので、随伴に関する可換図を書くと、示すべきは「g;h;μ_i;α_i = g;h;lim α;ν_i」であることがわかる*3。
ここで、lim α を考える。lim αの定義は、対象 lim D_1と部分圏D2'の各対象への射 μ_i;α_iに対して与えられる唯一の射なので、limの定義によって要請される可換性は、lim α;ν_i = μ_i;α_i。
よって、g;h;μ_i;α_i = g;h;lim α;ν_iは成立する。