さっと読みました。
Cによる探索プログラミング―基礎から遺伝的アルゴリズムまで
伊庭 斉志
ソルバー作るのに買ったんですが、タイトルと中身の薄利が激しく、その目的には適しませんでした。
タイトルとは裏腹に、中身はC言語の復習とその演習です。演習の題材として、各種の問題解決を取り扱っており、その中に探索と遺伝的アルゴリズムが含まれています。ただ、すべて浅いので*1、Cの教材としてもアルゴリズムの教材としても独学に使うには中途半端です。これを教科書として講義をするなら、話を膨らますことができて面白いんじゃないかと思います。
本書の浅さは認めつつも、情報系の学部を出ていないWEB系のエンジニアですと、このような計算機本来の興味対象に関しては(自分も含めて)精通してない方が多いでしょうから、この本に出て来る演習は「アルゴリズムってこんな考え方もあるんだ」と言うのを教えてくれます。個人的には読んで損はなかったです。特に、序盤の各種整数論の問題解決に関しては、純粋に数学の読み物として楽しめました*2。
なお、本書の最後にCで実装している遺伝的アルゴリズムと遺伝的プログラミングは、オライリーの「集合知プログラミング」内でPython実装が出ているよう*3です。