大学の頃真面目にやっておけばこんな苦労もなかったのですが。
微分積分入門
桑村 雅隆
偏微分で思いっきり躓いたので本屋で調べてたのですが、その時に見つけたのがこの本です。高校で数III(旧微分積分)をやってない人向けの内容と謳ってますが、確かにその通りで平易に書かれてて大変読みやすいです。微積分の復習用にオススメの一冊。
一番ありがたいのは、記号の意味等、数学的に厳密に書かれていることです。工学系の本だとdxとdyを普通の数みたいに扱ってるように見える節があり*1、そこが微積分を意味不なものにしている原因の一つとなっているのですが、この本ではその辺を丁寧に解説してます。基本的にそのページより前で使われた表記や用法以外は出てこない作りになってるので、高校数学の教科書のように安心して理論を追うことができます。
オレは偏微分の章だけ読んだのですが、全微分のの意味*2とこれが出て来る理由が丁寧に述べられてたのが大きかったです。マクローリン展開で使う略記(偏微分作用子)もこの本で理解しました。
ただ、ヘッセ行列を用いた極値点の判定条件の証明に関してはとても歯切れが悪いです。近似値を使って「A≒B>0 ⇒ A>0」としているので、このままでは正しくないです。A>Bなる近傍を見つけれれば正しい証明になりそうですが。