Pixel Pedals of Tomakomai

北海道苫小牧市出身の初老の日常

Disco Elysium をクリアした

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海外でめちゃくちゃ評判のいい Disco Elysium をクリアした。春に日本語訳される予定だが、英語でゲームをプレイする練習のためにそれを待たずしてクリアした。手元の単語帳によると、クリアまでに調べた単語数は 2,400 語。テキストを読むだけのゲームなので、手を止めてゆっくり単語を調べながら進められる。

このゲームは殺人事件の謎を解く探偵モノなのだが、スキル値とサイコロの目に基づくスキルチェックが随所にあり、膨大なテキストを読みながらストーリーの分岐を楽しむゲームである。スキルチェックに失敗してもストーリーが進行不能になるわけではないが、やはり成功したほうが気分は良いし話も進展するので、基本的にはスキルチェックが通るようにゲームを進めることになる。

ちなみに、個人的には探偵モノとしてのこのゲームのストーリーはそんなに好きではない。自分は理系なので、緻密なトリックやアリバイを考えながら進めて、予想が当たったときのアハ体験を一番の楽しみに探偵モノを楽しむのだが、このゲームのストーリーはその類のものではない。科学的なトリックや論理的な思考のプロセスを楽しむものではなく、話が意外な方向に展開するのを楽しむものである。犯人やその後の展開を推理して「ああ、やっぱり!」みたいなことはほぼ一切なく、「え、そういう展開?それで、この話はどこに向うの?」とプレイヤーに衝撃を与えながらゲームは進んでいく。もちろん、ネタバレは避けるが、きちんと殺人事件を解決することはでき、夢オチであったり殺人事件をなかったことにして別のストーリーが始まったりすることもないので、そこは安心して遊んでもらえると思う。後、このゲームのストーリーは、よくある「ゲームをクリアしたらみんな幸せになりました」というようなものでもない。そこはこのゲームの気に入っているところだ。ゲームをクリアしたからと言って主人公がとてつもなく幸福になるかというとそんなことはなく、今までの日々に戻るだけだ。ある意味、余韻というか、消化不良というか、そういうものが残るストーリーになっているが、自分はこの手の話はとても好みである。実は主人公と自分は同い年で、その点も含めてある種の悲哀が余韻として残る終わり方は好きだ。

このゲームの最大の魅力はやはりテキストにあって、英語力の低い自分にでもニヤニヤできるシーンはたくさんあった。特に、相棒のキムとのやり取りは面白く、かっこよく、言うことがないくらい最高である。そのテキストを肉付けするのが、芸術的なグラフィックや、音源、スキルシステムであると言える。グラフィックの雰囲気は本当によく、タバコを吸うだけでなぜか自分まで満足感が得られるほどだ(自分は極度の嫌煙家だが)。そして、サイコロをふるのは単純に楽しい。スキルシステム、思考キャビネットのシステムも、戦闘シーンがあるわけでもないテキストだけのゲームになぜか驚くほどマッチしており、このゲームの最大の発明と言える。

最後に、日本語版を含めこれからプレイする人にコツを。最初にも書いたが、スキルチェックは失敗しても話が変わるだけなので、成功することに拘らないほうが楽しく遊べる(というか、成功と失敗の両方を楽しむゲームだ)。それでもスキルチェックを通す必要はあるわけで、そのためのコツとして、白いチェックは確率が低くても挑戦して、とにかく回数を稼いだほうが効率が良い。と言うのも、白いチェックはレベルアップとストーリーの進展によって再チャレンジ可能になるが、例えば成功率 3% のチャレンジが後から 50% になるとして、 3% は低いからと 50% になるのを待ってからチャレンジすると成功率は 50% なのだが、 3% のときにチャレンジしてさらに 50% のときにもチャレンジすると成功率は 51.5% と僅かだけ高くなるのだ。失敗には体力や気力の低下というペナルティがつくこともあるが、想像しているよりは遥かにペナルティーは小さい。たくさん挑戦して失敗したほうがストレスなく遊べるし、結果として成功率も上がるだろう。そういう理由で、レベルアップもすぐにスキルを振るのではなく、失敗した白チェックで通したいものが明確になったときに使うのが効率がいいだろう。もちろん、思考キャビネットは白チェック関係なくどんどん開けていって問題ないので、そちらに優先してスキルポイントを使うのも良い戦術と言える。後、歩いているときに頭に出る丸の色はスキルの色と一致していて、値が一定以上になることによって出現する。特に認知スキルは高いほうがアイテムの発見が増えたり捜査の進展にも繋がりやすく、便利だろう。スキルを上げた後にレバショールをウロウロすると、新しい発見があるかもしれない。

日本語版は発売元が変わり、発売日も未定なようだ。見ていないシーンも大量にあるので、2周目もやりたいところだが、他の積みゲーがたくさん待っているので、2周目はやらずに攻略サイトやプレイ動画で済ませると思う。次の英語練習は Inscryption をやりたい。

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実は zelda (BoW) や pokemon arceus を英語でやっていたりもするし、 divinity original sin や Pathfinder をもう一度プレイ(実はどれもクリアしてない)したい思いもあるが、積みゲーの消化をとりあえず優先すべきだろう。