Pixel Pedals of Tomakomai

北海道苫小牧市出身の初老の日常

家中に撒き散らされた最高のフレンチトースト

今朝、フレンチトーストを焼いた。妻がまだ寝込んでいたし、賞味期限切れの食パンが棚に入っていたので、これは消化しておかねばと思ったのだ。子供の頃、病気で寝込むと母は消化に良いからとフレンチトーストを焼いてくれた。病床の妻が食べるのにもちょうどよい。

バターを切らしていたので、起きて一番にコンビニへ買いに行った。クラシルの無難そうなレシピを見ながら、卵と牛乳、砂糖で作った付け液に食パンを浸す。 20 分くらいは浸しただろうか。バターを溶かしたフライパンで両面に焼き色が付く程度に焼けば完成である。 1 枚あたり 3 ~ 5 分程度で焼ける。

今日のフレンチトーストの出来は最高であった。これほどうまいフレンチトーストは、これまでの人生の中でも何度食べただろうか。しっかりと浸け置き、焼き過ぎないというだけでフレンチトーストは劇的に美味くなる。写真くらい撮っておけば良かったと食べてから後悔した。

作った本人は満足したのだが、何を食べても文句しか言わない小2の息子は、思った通り不味い不味いと言い出した。そう言えば、今朝は調子が悪かったらしく、朝っぱらからトイレの床に嘔吐して、トイレ掃除をする羽目になったことを思い出した。なぜ、トイレまで行くのに便器の中に吐かないのか。親にはわからない謎の 1 つだ。

文句を言いながらも、もう少しで食べ終わりそうだ。そう思いながら見ていると、突然、食べていたフレンチトーストを嘔吐してリビングの床にぶちまけた。やはり調子が悪かったのだろう。とりあえず、口を濯いできなさいと洗面所に向かわせ、後片付けのために雑巾と洗面器を用意する。と、今度は洗面所から戻った息子が、先程とは違う場所で大量にフレンチトーストを嘔吐した。洗面所のすぐ隣はトイレだ。なぜ、トイレに行かずにリビングで吐くのか。気分が悪いのでトイレに行きなさい、とトイレで吐くように促したのだが、最後はトイレの便座蓋の上に残りのフレンチトーストを嘔吐した。家中を彩る人生最高の出来のフレンチトーストの海に、ただただ呆然と立ち尽くすしかなかった。

今朝の出来事がトラウマとなって、その後は全く何事もやる気がしなかった。今も、ただ呆然と部屋で虚空を見つめ続けてている。世間は3連休なのかもしれないが、子育てに休暇など存在しないのだ。