Pixel Pedals of Tomakomai

北海道苫小牧市出身の初老の日常

伊豆大島(後編)

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大島ではゲストハウスに宿泊した。普段ホテルにしか泊まらないので、歯ブラシや洗顔用品が置かれたままの生活感あふれる洗面台に面食らった。人数に比較して部屋が狭く、無理矢理にこしらえたと思われる不安定で危険なはしごを登ってロフトで寝る必要もあった。それでも、宿の主人は気さくで色々と気が利く良い人だったし、前日の疲れもあって十分な睡眠を摂ることができた。多少値が張ったが、「 The 旅館の朝食」と言わんばかりの朝食には、大変満足した。

二日目は、三原山登山道路から山頂口展望台を目指した。本当は御神火スカイラインから登る予定だったのだが、こちらは斜度がかなりきつく、流石にミニベロでは無理ではというメンバーの意見で予定を変更した。三原山登山道路は緩やかな登りが延々と続く道で、平均斜度と獲得標高で言えばヤビツ峠に近いようだ。前日と打って変わって風がなく、談笑しながら楽しく走ることができた。

山の中腹には馬がいる。なぜこんなところに馬が??

途中には、何箇所か展望台が設けられている。山側には三原山の麓に広がる非日常的な火山地帯の風景、海側には静岡県の富士山が見える。どちらを見ても絶景である。

新火口展望台で撮った写真には、たまたまメンバーの一人が乗っていたブロンプトンとの2ショットが写っていた。なんとなく並んだだけで絵になってしまうのがブロンプトンのすごいところである。

この展望台にはバス停がある。バスで来るのはいいが、その後のプランはきちんと考えておかないと、次にバスが来るのは1時間以上後になる気がする。後ろに小さく写っている白い部分が、富士山である。

さらに登って、無事に三原山展望所まで辿り着いた。火山を眺めていると、子供の頃は毎日拝むことができた、樽前山を思い出す。

下りは御神火スカイラインを利用した。新しい道で、めちゃくちゃ見晴らしが良い。三原山登山道路はほとんどが森林で、時折展望台から絶景が見えるという雰囲気だったのだが、御神火スカイラインは常に見晴らしが良く、延々と真っ青な海を望む絶景が続く。ただ、やはり勾配がかなり急なので、細心の注意で下る必要がある。

下った後は町中華で昼食を摂った。量も味も最高で文句なし。地元の人が集まるお店は、やはり素晴らしい。

本土へのジェット船は 15:30 出発だったので、最後に、まだ見ていなかったゴジラ像に立ち寄った。なんでも、ゴジラの映画にちなんで作られたもののようだ。たまたま居た係の人の話によれば、本当は火口に巨大なゴジラ像を作る計画だったものが、島民の反対にあってこの像に落ちつたいのだとか。まあ、確かに火口にそんな物があれば興ざめである。

空港へ戻る途中、昨日も立ち寄った Buddy's Bell の前を通った。昨日は暴風が吹き荒れて空も曇っていたが、今日は本当に良い天気で、富士山までくっきりと見える。昨日に続いて、写真を撮っておいた。

帰りは岡田港からジェット船に乗って、 1 時間程度で久里浜港へ着く。伊豆大島へ行く人には有名なのだが、帰りのジェット船は天候によって出発する港が違い、朝 7:00 になるまでそれはわからない。元町港から出ることもあるので、どちらから出ても大丈夫なように計画を建てておく必要がある。自転車であれば比較的融通が利くので、朝の発表を聞き忘れなければ困ることはないだろう。

ジェット船は速いだけだと思っていたのだが、説明によると水上を浮いて走るようで、ほとんど揺れなかった。これは快適である。ただ、大島へ向かうジェット船は到着が 10 時頃と自転車や釣りには少し遅い時間なので、来るときはフェリーにしたほうが早朝から島を満喫できていいようだ。

久里浜港から駅までは少し距離がある。バスも出ているが、自転車で走ったほうが早いだろう。東京湾フェリーに乗るためによく使っている港なので、ここまで来れば目を瞑っても帰れる。

昔から枕が変わるとほとんど眠れないので旅行ではいつも寝不足なのだが、今回はよく眠ることができて旅を満喫することができた。自転車に乗ってきちんと体を動かしているのと、耳栓を持ってきたのが功を奏したのだろう。民宿の雰囲気にも少し慣れたので、今後も自転車旅で利用してみたいなと思った。なんだかんだ、宿泊費が安いのはいいことだ。自転車旅であれば、宿はどうせ寝るだけなのだから。