Pixel Pedals of Tomakomai

北海道苫小牧市出身の初老の日常

自転車を買った

電動自転車を10年使っていたのだが、子供が小学生に上がるのに合わせて自転車を買うことにした。

今まで乗っていたのは YAMAHA の PAS 。今の家に引っ越してきたタイミングで、駅までの道が上り坂だったために、高いなあと思いつつ購入したもの。

YAMAHA PAS
YAMAHA PAS

電動自転車はめちゃくちゃ便利で、ほとんどの坂道をまったく汗をかかずに登ることができる。特に子供が生まれてからはこれがベストチョイスで、小学校に上がるまで快適に子供を乗せて走ることができた(小学生に上がると、自転車に乗せられなくなる)。電動でなければ、坂道のある場所へは歩いて行くなど、選択肢が大幅に狭められただろう。

と、電動自転車には大満足なのだが、それでも別の自転車が欲しくなったのには理由がある。それは、自転車を電車に載せて旅をしてみたいという強い思いがあったからである。所謂、輪行だ。自家用車を持っておらず、かつ、田舎産まれなので、電車で郊外へ行くのが元々好きだった。ただ、郊外の駅へ行ってもほとんどの場合は公共交通機関が充実しておらず、歩きでは行ける範囲も限定されている。自転車に乗れればいいのになあ、と思うことが多々あった。

そんなわけで、輪行ができる自転車を探していたのだが、どうせ買い替えるのならいいものが欲しいなあと思ってググって見つけたのが brompton である。

brompton

イギリスで作られた自転車で、愛好者が多いようで YouTube で検索すると大量に魅力的な動画が出てくる。 40 年の歴史があり、ほとんど構造が変わっていないというのも好感が持てる。代官山に専門店 BROMPTON JUNCTION TOKYO があったので、息子を連れて見に行ってそのまま購入した。

購入して予想通りだったこと

brompton の売りは簡単に畳んだり戻したりできることで、 YouTube の動画を見てるとステマじゃないかと思うくらいみんなめちゃくちゃ簡単に折り畳んでいる。いやー、さすがに自分はここまでできないだろうなあと半信半疑で買ったが、それは杞憂だった。本当によく設計された自転車で、気持ち良く畳んだり展開したりできる。これは本当に brompton にして良かったなあと思うポイントである。

後は、買う前から高価なので盗難心配だなあと思っていたのだけど、これもまったくその通りだった。 世界最強レベルの鍵 を買う、常に肌見放さず持ち歩く、などいろんな選択肢があったが、結局 盗難保険 に落ち着いた。保険について、自分は、人類が発明したリスクに対処するための道具であると考えており、盗難というリスクに立ち向かうには一番良い選択肢だと判断した。なので、鍵は それなりのもの を使っており、駐輪場にも躊躇なく停めている。

購入して予想外だったこと

予想通りだったことよりも予想外だったことのほうが多い。

まず、一番予想外だったのが、自転車を買い替えた一番の目的である輪行が、とても大変であることである。と言っても、これは買う前の自分の見積もりが甘過ぎた。普段、自分は 2kg あるゲーミングノート を肌見放さず持ち歩いている。 brompton もその感覚で、使うか使わないかよくわからなくても常に持ち歩こうと思っていたのだが、 2kg と 12kg (恐らくもっと重い) はさすがに違い過ぎた。もう、とにかくどうやって持っても大変なのである。肩紐を付けて担いでいるが、本体が足に当たって痛く進むだけでも大変だし、改札なんて通ろうものなら狭くてガツンガツンと色んなところがぶつかってしまう。持ち歩きは買った直後に諦めた(輪行をしたことがある人にとっては当たり前の事実だろう)。

そして、もう一つ予想外だったのが、 brompton に乗ること自体がめちゃくちゃ楽しいということである。今まで電動自転車に乗っていたので、輪行はできるけど乗り心地は妥協だなあと勝手に思っていたのだが、乗ってみると brompton の方が圧倒的に楽しいのである。電動自転車は乗り始めこそ楽(むしろ不自然に飛び出して気持ち悪いくらい)だが、漕ぎ始めると漕いでるんだか漕いでいないんだかわからず惰性で進んでいる感じを受ける。 brompton はそうではなく、漕ぎ始めはスムーズで、漕いだ分だけ力がダイレクトに自転車に伝わって力強く進むのを感じられる。当然、漕いだ分だけ疲れるのだが、即座にその成果が車速に反映されるので、とても心地良い疲労なのだ。これは、ダイエットに最適なのでは、と思う。実際、サイクリングはダイエットに良いと言われているし、自分もこの一ヶ月で 400km 近く走って体重も 1kg ほど落ちた。 brompton を買った時期がちょうど エルデンリング の発売時期と被っていたのだが、エルデンリングするよりサイクリングに行きたいと思える程度には brompton は乗っていて楽しい。

brompton の前に、年末に scanwatch を購入していたのも、偶然とは言え良かった。 scanwatch は pikmin bloom のために買ってそれはそれで歩数計として活躍していたのだが、 brompton を買ってからは心拍計として大活躍してくれている。 brompton に乗っているせいで、むしろ歩かなくなって歩数計としての役割は(そして pikmin bloom も)オワコンとなってしまった。毎日 10km 以上走っているが、歩数は 2,000 歩以下で Google fit から怒られる日々が続いている。

ロードバイクが欲しくなるのか

こうして毎日エクササイズ目的で自転車で走るようになると、実はロードバイクのほうがいいのではないかという疑問が湧いてくる。しかし、今のところその欲求はない。

まず第一に、あくまでも運動をしたいだけで、速く走ることには興味がないということが挙げられる。川沿いのサイクリングロードを走っているのでそもそもそんなにスピードを出せない(出すべきではない)し、公道も首都圏は車が多く、スピードを出してもそんなに楽しいとは思えない。楽しく運動できればよく、 brompton で目的を完全に達成している。

第二に、やはり輪行に強い思いがあるということが挙げられる。さすがに日常的に持ち歩くことは諦めたが、それでも週末は輪行を楽しんでいる。重くて大変ではあるが、普段は自転車に乗れない別の駅から自転車で移動できるのは楽しく、行動範囲が広がって便利でもある。折り畳み自転車で輪行してまったりと自分の行きたいところに行く(つまり、ポタリング)方が自分にはあっている。

サイクリングとジョギングの違い

大昔、ダイエットのために ジョギングもしていた 経験もあるので、サイクリングとの比較を書いておこう。結論としては、自分にはサイクリングの方が圧倒的にあっていると感じられる。理由は以下の通りだ。

まず、サイクリングの方がスピードが早く爽快感があり、飽きにくい。ジョギングをしていたころは、心拍数を有酸素運動の範囲に合わせてしまうとあウォーキングの人にも抜かれてしまうほど遅くなってしまい、走っている意味があるか疑問になるし、とても惨めな気持ちにもなった。

また、サイクリングの場合は遠出しても帰って来れる安心感があり、スピードが速いことも相まって気軽に距離を伸ばすことができる。平地の場合、自転車はスピードにさえ乗ってしまえば漕がなくても距離を稼ぐことができる。つまり、疲労困憊で休んでいても、進むことができる。ジョギングはそうも行かなくて、疲れて座り込んでしまうとまったく進まない。歩いたほうが楽ではあるが、それでも完全に休めているわけではない。遠出して体力が尽きたときの帰路の不安は、ジョギングの方が大きいと言える(もっとも、公共交通機関の近くを走っていればどうにでもなるし、タクシーという手もあるが)。

そして最期に、サイクリングの方が圧倒的に足への負担が少ないと言える。特に、ダイエットが必要な太っている人にはそれが顕著である。昔、ジョギングをしていたときには、久しぶりに走ると必ずひどい筋肉痛に悩まされた。しかし、自転車ではちょっと足が疲れてだるいなということはあるが、筋肉痛で歩くのに支障が出ることはない。

今後の展望

輪行はしたいものの、当初思っていたよりは重く、正直、どうしようかなあと思っているところではある。何度か電車に載せて慣れては来たので、一度泊りがけの輪行をしてはみたいなあと思っている。

そして、せっかく郊外の駅から自転車で遠出するなら、チェアリングもしてみたいなあと思い始めている。ただ、 brompton ✕チェアリングや brompton ✕コーヒーは完全に(特に中高年の)お約束らしく、天邪鬼な自分としてはそういう万人が通る道を歩んでしまうのはどうかなあとも思うのである。

まあ、まずは日々のサイクリングが体力づくりとしてとても効率的に作用しているので、これを続けていくことを考えるのが最優先だろう。