Pixel Pedals of Tomakomai

北海道苫小牧市出身の初老の日常

自転車と相性が良い位置ゲー

三が日真っ只中だが、完全に風邪を引いてしまった。昨夜、寝る前から喉に違和感があったのだが、その後は激痛で目が覚めるレベルの咽頭痛。気のせいと思いたくてコーヒーを飲みに出てみたが、体に力は入らないし節々が痛い。熱が出る前兆だ。

外を見ると、雨が振り始めている。「ああ、晴れてる日に寝込まなくてよかった」と思ってしまうところが完全に自転車バカである。とても自転車に乗れる状況ではないので、今日は位置ゲーについて溜まった知見を書いておく。

がっかりされないために先に結論を書けば、自転車でツーリング(ロングライド)を楽しむ人に最適なゲームは、現状ない。定石通り Strava | Running, Cycling & Hiking App - Train, Track & Share を課金して使うのが最適であろう。ただ、何を持って適している、適していないと判断するかは人によって違うと思うので、試したゲームとその感想を記しておく。

ingress

https://intel.ingress.com/intel.ingress.com

位置ゲーの老舗とも言えるゲームで、 2012 年からずっとサービスを続けている。 2 陣営に分かれての陣取りゲームで、線を引いて土地を確保していくと言うルールには戦略性もあり、非常に楽しいゲームだ。

ただし、ツーリングにはまったく向いていない。このゲームを遊ぶには各ポータル(拠点)で実際に停車する必要があるため、停車せずに目的地まで突っ走ってしまうツーリングとの相性は最悪である。歩いて楽しむのがいい。もっと言えば、歩くついでに ingress を遊ぶのではなく、 ingress をプレイするためには歩かねばならない。

pokemon go

pokemongolive.com

解説は要らないだろう。流行っては居るのだが、こちらもポケストップに停止する必要がある。 停止しなくてもできるツールはありそう だが、そもそも何をすると楽しいゲームなのか(どんどん飴にする・・・?)見いだせなかった。

卵の孵化も、自転車の速度帯では機能せず、利点として活かしきれない。

モンスターハンターNOW

monsterhunternow.com

昨年 9 月にロンチしたゲーム。こちらは自動でモンスターを集めてくれるので、停車する必要はないらしい(多分)。このアプリの問題点はモンハンをしなければならないことで、別にモンハンはしたくないのだ(何を言っている?)。そして、世界中のどこにいても同じようにプレイできるように設計されているので、つまり、ツーリングでどこへ行っても何も利点はないのだ。ツーリングに行く必要がない。

ドラクエ walk

www.dragonquest.jp

このゲームはオートバトルが搭載されており、停車せずにプレイができる。走ればレベルが上がるし、各地に特殊なアイテムがあったりして遠征するモチベにも繋がってよい。自転車でも、遊び方によっては楽しめる。

ただし、クエストを進めるには他のゲームと同様、拠点を回って停車してそこで遊ぶ必要が出てくる。拠点は自分で設定可能で距離が遠ければボーナスが入るが、 1Km 程度を超えるとキャップがかかってしまったり、後、一日に一度しか設定できないので帰りには設定できないなど、自転車向きではない仕様がチラホラ顔を覗かせる。

それでも、かなり遊ぶ候補としてはおすすめできるのが、致命的な問題は常時起動しておく必要があることだ。ロングライドをすると、スマホで地図が見たくなる。その電源をゲームで使い潰してしまうのは、非常に危険だ。また、夏にはその起動中の熱でオーバーヒートしてしまう。ツーリングで遊ぶには、もっとエコなゲームである必要がある。

最後に追記だが、ソシャゲに慣れてる日には普通だと思うが、イベントやガチャがめちゃくちゃにうるさい。うるさすぎて自分が何をしているのかわからなくなる。

しばらくやった後に、まったくログインしなくなった。

信長の野望 出陣

www.gamecity.ne.jp

こちらは昨年出た新しい国産の位置ゲー。基本的にはドラクエウォークと同じで、重課金、重バッテリー消費である。チラ見した感じでは、停車せずに遊ぶことはできそうだし、遠征する意味もある程度ありそうだ。

駅メモ! - ステーションメモリーズ!

ekimemo.com

タイトルから分かる通り、電車で遊ぶゲームである。手動チェックインが必要なので、自転車ではなかなか難しい。各駅で止まる運用であれば、地方での利用では意外とマッチするだろうか。

電車に乗るのが趣味だった頃には遊んだが、既存プレイヤーが強過ぎるのと、課金が割りと必要なので、移動手段を自転車に切り替えてからはやってない。

テクテクライフ

www.tekutekulife.com

知る人ぞ知る、マネタイズに大失敗して爆発四散したテクテクテクテクの続編である。

地図を塗るというコンセプトはロングライドにぴったりである。後から、自分がどのくらいの距離を走ったのか、それは通ったことがあるところなのか知らない道なのか、可視化されると非常にモチベーションが向上する。バックグラウンドで塗ることも可能なので、ここまで紹介したアプリに比べると比較的エコである。

テクテクライフの最大の問題は、塗りが手動であることだ。 1 日ロングライドをしてからゲーム画面を開くと、塗り予約された圧倒的な数の赤マスに心が折られる。塗り終わるまでには 30 分くらいを見たほうがよく、さらに良くないことに、ご丁寧に後どのくらいのマスが塗られずに残っているかが表示される。数だけで塗り残しの場所が表示されないのが味噌で、これを 0 にしようとすると塗り残しのマスを探すためにとんでもない時間が費やされる。

まともに遊ぶための課金額が月額約 800 円というのも微妙なところである。

geocaching

www.geocaching.com

知る人ぞ知る、老舗の遊びらしい。あえて「ゲーム」と呼ばないのは、これはプレイヤー参加型の宝探しだからである。ユーザーが物理的に物を隠し、それを web site で共有し、そこに書かれた場所に探しに行く。宝探しゲームのプラットフォームを提供している形だ。

探す、という要素が強いので、自転車から降りてからが本番の遊びである。よって、本気で遊ぶのは楽しいのかもしれないが、ツーリングに最適かと言われれば、若干違う気はする。

Strut

Strut

Strut

  • Thickpolicy LLC
  • Games
  • Free
apps.apple.com

完璧に顧客が欲しかったものである。移動速度とか難しい話抜きで、とにかく移動してマスを塗るといい。アプリの作りは悪くはないし、マス数でランキングも着いていたり他のユーザーの塗ったマスを見れたり、非常に楽しい。

このゲームの唯一の欠点はバッテリーの消費量である。ドラクエウォークがめちゃくちゃエコに見えるほどの勢いでバッテリーが減っていく。正直、バグっているとしか思えない。

card.io

Card.io: Run. Walk. Compete.

Card.io: Run. Walk. Compete.

  • Max Miranda
  • Health & Fitness
  • Free
apps.apple.com

おそらくここ数年でリリースされたアプリで、 3 陣営に別れて色を塗るように見える。自転車も考慮されていそうだ。

残念ながら日本ではサービスインしていない。

ORNA

playorna.com

位置情報を使った RPG 。基本的には場所を移動して色々な場所を見つけて遊ぶものなので、停車して遊ぶ必要がある。とは言え、ロングライドの後で停車するという遊び方でもペナルティはない(メリットもない)。自転車の速度では反応しないことにはなっているが、公道を 30Km 走ってノルマの 10,000 歩 / 日 を達成できるかできないかくらいには微妙にカウントされる(多分、信号待ちなどで速度が落ちる部分)。

このアプリはアンインストールしていない。ツーリングには別に向いてないと思うが、画面や課金要素などがとても静かで、ドラクエウォークと違って無害なのだ。ドット絵を見ながら暇なときにプチプチ敵を倒すと、なんとなく幸福な気持ちになる。

Run An Empire

www.runanempire.com

ランナーの間では有名なのかもしれないが、自転車の速度では反応しないそうだ。結局、やってない。

Pikmin Bloom

pikminbloom.com

最後に紹介する Pikmin Bloom が、今回の大本命である。 Pokemon GoIngress 、モンハン NOW と同様に Niantic Labs の作品で、歩いて花を咲かせて色々な種類のピクミンを集めるというのどかなゲームである。

このゲームがロングライドに向いていると考えるのは、以下の 3 点が理由である。

  • 地図にかかる白い霧を開放していく機能
  • 写真の添付機能
  • 驚くほど少ないバッテリー消費量

最初の白い霧は、 1log世界の霧 と類似したものだ。遊べば遊ぶほど白い霧が晴れていくのは、良いモチベになる。

写真の添付機能も、ツーリングに行ったことがある場所の管理に大変良い。特に考えずにアプリを設定すると、毎日終わりにアップロードする写真を自動推薦してくるのだが、この機能は使わないほうがいい。この機能を使うと、自宅と会社に 1,000 枚以上の写真が集中し、とてもじゃないがまともにアプリを使えなくなる。 1 日に 4 枚しかアップロードできないので、ツーリング中に 4 枚写真を撮って、それをアップロードするのがいいだろう。

そして、なんといっても良いのが、バッテリー消費量の少なさだ。花植え中であれば、バックグラウンドで位置情報を記録する上に、記録の頻度が低いのがその秘訣だろう。頻度が低いということは位置情報の取りこぼしも多いということである。そもそも自転車の速度帯では花を植えられないというのも、 Niantic Labs を始め、ほとんどの位置ゲーで共通する特徴である。以下は、先日、風張峠をダウンヒルしたときの記録だが、確かにめちゃくちゃ荒い粒度でしか霧を貼らせていない。しかし、これはこれでいいと思っていて、遠目に見るとこれらのポイントがマージされて行ったことがある場所がなんとなくは可視化できるし、同じとこに回数を重ねていくことで霧のない場所を増やしていくこともできる。霧が晴れなくてどうしてもイラッとした時は、先程述べた写真貼り付け機能で「俺は!間違いなく!!ここに行ったんだ・・・っっ!!」という主張を残すこともできる。バッテリーというツーリング中にとても貴重なリソースとのトレードオフを考えれば、バランスの良い選択と言えるだろう。

問題点を上げるとすれば、毎日の時間的コストがそれなりに高いことだ。先に書いたとおりにバックグラウンド機能のためには花植えが必要で、花を植えるにはピクミンを育てて花を回収する必要があるのだが、この作業が毎日 15 分程度はかかってしまう。心を無にしてやっているが、 15 分という時間は決して無視できる大きさではない。